寝顔

 

 

 さらけ出す喉元。
 無造作に投げ出された四肢。

 お世辞にも、寝相がよいとは言い難いけれど。
 
 その、不用意な迄に無防備で。
 あどけないと言ってしまいたくなるほど、穏やかな寝顔を。
 どうしようもなく愛しいと思ってしまう、自分が可笑しかった。

 そういえば。
 初めて、彼を見たのが、こんな寝顔で。

 もう一度。
 あの顔を見たい、と思ってしまったのが。
 彼へと手を伸ばした、最大の理由だったのかも知れない。

 
 飄々として捉えどころのない、言動や。
 常軌を逸した、変人ぶりや。

 そんな見せかけの穏やかさに偽装された、他人に対する彼の強固な迄の拒絶を、感じるたびに。
 ひどく、もどかしかった。
 
 その、冷たく硬質な心の壁の向こう。
 無意識であろう、穏やかさを。
 確かに自分は知っている、から。

 
 
 伸ばした手に触れたのは。
 奇蹟のような、もう一つの顔。
 一生の、誤算。

 誘惑と陥穽。
 凄艶な表情は、自分だけに向けられた致死量の媚薬。
 
 この、姿態を前に。
 こんなにも心奪われてしまうなんて。
 この、眼差しを前に。 
 こんなにも心惹かれてしまうなんて。

 出逢った時には。
 思いも寄らなかったこと。

 ん……と、小さな声が、僅かに開いた紅い唇から、零れる。
 ことん、と傾く首。
 半端な寝返り。

 この、腕の中の。
 柔らかな、眠り。

 好きなものなら。
 たくさんあるけれど。

 こんなにも。
 愛しいと思う感情を、他に知らない。

 '02.10.22 a.m.1:50


 

 何がどう、というワケでもないのですが。
 とりあえずストックから、小ネタを一つ。

 一つ前にUPした悟浄BDもそうなんですが。
 お話未満の、こういうただ単に「好きだーっ」って見惚れてる情景って好きなんですよねぇ。
 …………書くのは(^^;;
 
 読んで下さる皆様には、果たしてどうなんでしょう.....。
 とっても不安なので、よろしければ、一言ご意見お聞かせ下さいませ。

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