Text;Overchrome #02

      

・不活性メタル・


 
 混沌を切り裂くのは、光と闇の、鮮やかなコントラスト。


 
 まだイケるんだろ?もっともっとさらけ出してみろよ。
 次なんてあると思うな今しかねーだろう?

 溢れる力を持て余すように、狂暴に。
 桐哉が叫ぶ。
 どんな熱狂も、発火点の狂喜も。
 まだ届いていない場所のあることを、ひしひしと感じながら。

   
 エネルギー渦巻く、ステージと客席。
 そこは。
 彼に一番、近くて、遠いところ。
 
 ひやり、と。
 熱せられることない、不活性ガスに包まれた実験室のような。
 ここは。
 キーボードの砦。 


 
 来いよ。
 そう。
 呼ばわる彼の、声が。
 何処に向かうのか。向けられているのか。

  
 錯覚。
 しそうになる。
 決して。
 いくことなんて出来ないところへ。
 
 いける気さえ。
 しそうで。



 彼は。
 知っているだろうか。
 
 届かなくても。
 聴こえているものを。
 
 
 
 ねぇ、真崎君。
 それ。
 
 誰に向かって、言っているんですか?
 あなた。
 分かっていますか?


 確かめることなんてできなくて、先送りし続ける懸案が一つ。
 いつか途切れるその時まで。
 
 





 '03.05.21  p.m.04:54 〜 '03.05.22  p.m.09:14
 



  調子に乗って、連続オーバークローム。
  でも今回、有栖川の難しさを実感したので、もう当分書きません。
 
  一本では飽き足らなかったけど、二本書いたら満腹になった。
  そんな感じでしょうか。

  

  



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