AT/4



 彼を──手塚国光を──よく知らぬ者であれば、気付かないであろうけれど。

 表情乏しく見えて、確実に和らいでいる空気。
 和らいでいる表情。


 
 誰よりも。
 研ぎ澄まされた、鋭利な一瞬と。
 柔らかに、和む一瞬と。

 その、どちらもが。
 自分に向けられるものであることに、悦びを憶える。



 予告なく、唇を重ねる。
 上唇。下唇。歯列、と。
 ゆっくりと舌で舐めあげていく。

 跡部は、強引だけれど。
 決して、性急に陥ることはなく。
 確実に、着実に、相手を攻め落としていく。

 絶対に、隙などなくて。
 だからこそ。
 手強い、相手なのだ。




 終わりなんて見えない。
 見たくなんてない。
 二人だけの、時間。

 
「遠慮するなよ、跡部」
 耳に流し込まれるのは。
 聴き覚えのある台詞。 
 
 あの時とは、まるで違う響き。


「思いきりこい」

 可笑しそうに。
 愛しげに。

 これは、故意か。
 天然か。
 
 思わず。
 跡部は、手塚の顔を伺ってしまう。

 挑発。 
 誘惑。
 

 言われなくたって。
 遠慮なんて、できるものか。 
 そう。
 心の中で、言い返す。

  
 手加減なんて、してやらない。
 
 泣かせても。 
 傷つけても。
 
 ありったけの自分で。


 求めあい、惹かれあうことしか。
 できない、二人だから。





 

アニメ、部長戦スタート記念。 てか、今週のアニメの感想その1です。 とりあえず、握手じゃなくて、拳こつん、の絶妙な息の合い方に ああなんて跡塚推奨なアニメなんだ、と暴れそうでした。 そして、最後が、あの台詞! これは、違うシチュエーションで言う(てか言わせたい)台詞だろうっ!てことで。 同一台詞、別シチュエーション、でした。 てなわけで、文体はシリアスよそおってますが、 コンセプトは、ギャグです。 一緒に萌えてくれたそーこ様、ありがとうございましたv 来週もよろしくお願いいたします。 contents