AT/5



 
「手塚よぉ、どうした?」
 挑発する言葉に。
 普段なら、予想外の方向から冷ややかに返される返答もなく。

 
 
  
 あまり顕著に表情を変えることのない彼が、それでも眉を寄せ、口元を引き締め、何かを耐える顔をしている。
 何か───途切れることなく与えられ続ける、ゆるくやわらかな快感という責め苦を。

「もう限界だろ?」
 それは、問いかけではなく、断定。
 
 言い返す言葉の代わりに。
 鋭く、決して怯むことを知らない瞳が、強く跡部を見つめ返す。
 眼鏡という硝子の鎧を武装解除されてなお、誰よりも勁い、難攻不落の瞳が。

 
 
  
 跡部の利き手が、手塚の肌を這う。
 触れられることに弱い箇所を、的確に攻めてくる。
 彼の。
 跡部景吾の、強さの一つは、そのインサイト──眼力──にあると言われる。
 相手のどんな弱点をも、見抜いてしまう力だ。
 
 こんな風に追いつめられてしまうのは。
 その、インサイト故だ、と。
 掠れがちな意識の中で、手塚は強く思う。
 
「我慢しないで、さっさとギブアップしちまいな」
 含み笑い、と。
 意地の悪い科白。
 自らの絶対優位を確信して揺るぎない跡部らしい科白だ。
 
 けれど。 
 だからこそ、そこでギブアップなんて絶対にできないのが、手塚らしさであり。
 
 跡部の前に、なすすべもなく崩れ落ちるくらいなら、と。
 せめてもの意地で、噛みつくような口づけを一つ、仕掛けた。

  
 一方的に、攻められてなんかやらない。
 堕ちゆく快楽なら、二人。
 道連れのように。

 
   
 
 不意の。
 甘い反撃に。
 
 跡部は、一瞬、跡部は目を瞠り。
 それから、喉を撫でられた猫のように、ひどく満足げな笑みを浮かべて、愛しげに目の前の「敵」を見つめる。

「俺の忠告、聞いといた方がお利口だぜ」

 共に、と彼が望むなら。


 
 容易く、満たしてなんてやらない。
 泣いても。
 懇願しても。
 絶対。
 聞いてなんて、やれない、から。
 
 
 
 まるで。
 それこそが、望みだ、と言うように。


 熱を帯びた手塚のまなざしが、跡部を、捉えた。





 

        今週のアニプリ感想、その2。 色々つっこみどころはありましたが(^^;; とりあえず跡塚派として、最大の絶叫ポイントは、次週予告 by 跡部様、かと。 あんな深夜枠な、AV みたいな科白、7時半前のお茶の間に流していいんですか!? あの科白がこう聞こえたのは、決して九城一人の腐れ脳味噌変換でないことを祈りつつ。 こう、聞こえませんでしたか? <こっそり、お伺いをたててみたり。 ええっと。落書き、補足。 決して、跡部が無理強いしてるワケ、じゃないんです(泣) これでも、らぶらぶ。仲睦まじく、深い親交をあたためあってる、んですけど。 ちょーっと、ほら二人とも、意地っぱりさんですから。(苦笑) いちお、念のため。 contents