・千跡 6・



 




「よぉ」
 
 一番、逢いたくて。
 一番、逢いたくない、人。
 後ろにはしっかりちゃっかり樺地くんまで、居て。
 二人きり、になんてなれるはずもなくて。

 ねぇ。
 どんな顔を、しろって?

 


 彼は──跡部景吾という人は、テニスが強くて。
 本当に、強くて。
  (上手い、とかいうんじゃなくて。
   本当に、強くて。)
 彼に、かなわないこと、なんて。
 初めから知ってて。
 それは、構わなくて。
 
 俺も。
 それから、たぶん、彼も。
 そんなことは、ちゃんと分かってて。


 だけど。
 君以外に、負ける俺は。
 まだ。
 許せそうに、ないから。


「……また、ね。跡部くん」
 
 たぶん。
 笑えた。
 笑って。
 ひらひら、と手を振って。
 そのまま。
 すれ違って。
 離れた。




 たぶん。
 跡部も、振り向いたりなんて、しない。
 俺も、振り向かないから。
 確かめたりなんてできないけど。


 ちゃんと。
 分かってる、って。
 信じてもいいかな。

     

本日(いやもう昨日、か)のテニプリ感想。 神尾に負ける千石。 悲しいし、納得いかないけど。 彼は、ちゃんと強くなって戻ってきてくれると信じたい。 そーいや、ジャンプでこの話が出て せんべに急降下したんだったなぁ。 跡部といい、千石といい、 主人公は勝つ、というジャンプ法則に従って きっちり負けていく子に弱いみたいです。 contents