・ a cold & a warm palm・


 
「……大佐?」

 垂れ目なくせに、妙に鋭かった青い瞳が、不意に優しく笑った。
 見ているだけで、安心してしまうような、優しい笑顔だった。
 
「大丈夫です」
 するり、とその言葉だけが、耳に入って。
 そして、すとんと心の中の、すっぽり空いた空洞のような場所におさまった。

 俺が、ついていますから。
 囁きは、呪文に似ていた。
  
「ゆっくり、眠って下さい」
 手が。
 ごつごつとして、でも大きくてあたたかなものに包まれた。
 
 手を。
 握ってもらったのだ、と分かるよりも早く。

 橙色の夕焼けが群青の夜空に変わるよりも自然に、瞼が下りて。
 ロイは、眠りに引き込まれていった。

 もう、世界は燃えていなかった。


 せっかくのオンリ。どうせなら、甘いハボロイを。
 どうせ甘いなら、べたべたに甘い、お約束なネタをやろう!。

 という意気込みのもと
 「風邪」と「記憶喪失」の2大同人お約束に挑戦してみました。


 微妙に玉砕。
 
 生ぬるい感じで(苦笑)
 


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