万愚節小咄 第六夜

〜 臨也 〜

     






「Trick or Treat ?」
 オセロと将棋とチェスを、彼自身にしかないルールで並べた碁盤を前に、臨也は愉しげに、囁きかける。
 駒は、答えない。
「お菓子をくれないってことは、悪戯していいってことだよね?」
 ふふ、と指先で将棋の王将をつついて。
「さあ、どんな悪戯をしてあげようか」
 
 楽しみだなぁ。
 ハロウィン、ラブ。
 俺は、ハロウィンが大好きだ!

 愉しげに。
 禍々しく笑って。



 折原臨也は、携帯の送信ボタンを押した。