自ら進んで地雷を踏みに行くようなものだと、
頭のどこかで分かってはいても。
それをあえてしでかすのが、ジャン・ハボックである。
ロイの、視界に入るぎりぎりの位置。
一体、どこから持ってきたんだ、と
誰もがつっこみたくなるような猫じゃらしを一本。
煙草をくゆらすついでに、ゆらゆら揺らしてみる。
ゆらゆら。
ゆらゆら。
ぴくり。
ぴくり。
ゆらり。
ぴくり。
猫じゃらしが揺れるにつれて。
ロイの尻尾が揺れ始める。
「貴様!何のつもりだ、それは!」
我慢できなくなったのか、ロイが怒鳴りつけるけれど。
うわぁ。
猫じゃらしに、引っかかるんだ、と。
あらためて、ロイ・マスタングの猫っぷりに
司令室一同は、心中、感嘆の声をあげていた。
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