バン!
と一発。
乾いた銃声が、響く。
とてもタイミングのよいそれに、
二人して、反射的に姿勢を正す。
もっとも、それは幸いにして
彼らの耳元を掠めるものではなかったけれど。
「……大佐?」
先ほど迄と同じように、ロイは
窓の外に顔を向けたままだけれど。
びっくりして、ぴーんと立った尻尾も耳も、
総毛だって。
そうして。
窓の外をひょい、と覗きこんだハボックは、
その理由に納得した。
まだまだ仔犬のブラックハヤテ号が、
どうやら花壇を荒らしてしまったらしい。
「さて、ブラックハヤテ号の二の舞になる前に……」
我々も仕事を片付けますかね、とハボックが促せば。
こくこくとロイは頷いて、
机に向かった。
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