・遊ぶ・
甘い吐息を零す唇に、そっと指先を押しあてる。 昼間の彼を思い出しながら、 彼の指とは比べ物にならないくらい、硬くてごつい指先で 促すみたいにそっと下唇をつつけば、 ちらり覗いた生あたたかい舌先が、掠めるみたいに 指先を撫でては逃げるみたいに引っ込んでしまう。 もう一度、と軽くつついて。 また、掠める舌先。 仔猫とじゃれるみたいな、 けれど、もっとずっと隠微な戯れだ。
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