・自分の身体を舐めてます・
ロイの手は、たぶん軍人男性平均値よりも、若干、小さい。 その小さな手が。 ハボックやホークアイのように銃胼胝で硬くなっているわけでもな指が。 誰よりも大きな破壊力を持つなんて、 その手だけを見ていたら、たぶん誰も想像できない。 「………」 うあああ、まただ。 頼む。 勘弁してくれ。 ちらりと向けた視線の先。 誰も見ていないと油断しているのか、 親指の先が、口元に当てられている。 見るな。 惑わされるな。 血迷うな。 理性の制止なんてあっさり引きちぎって、 目線は、彼の口元に釘付けで。 あの、俺より小さくて細くて、綺麗な指先に。 ちろりと赤い舌先が這う。 僅かに覗く濡れた朱赤が ちろちろと動くさまは、あまり煽情的で。 こんな、真昼間の執務室で抱くには、 持て余す劣情。 無邪気な仔猫の本能を、 ちょっと恨みたくなる、一瞬である。 |
・お好きな行動を、おひとつどうぞ・