itself「綺麗な髪」 天蓬がついと手を伸ばして金蝉の髪を掴む。 「何だ?」 訝しむように金蝉が顔を上げる。 「何もそんな不審な顔をしなくても」 己の日頃の行いを棚上げし、たいそう不満気に天蓬は抗議を申し立てた。 「綺麗な指」 髪を掴んでいた手を下へと滑らせ、金蝉のそれへと軽く絡める。 今度は金蝉は何も言わずに天蓬の悪戯を見送る。この鷹揚さが金蝉だと、天蓬は内心嘆息を禁じ得ない。 「綺麗な眼」 絡めた指を名残惜しげに解くと、今度はその手を上げ、金蝉の頬に触れる。そこから眦までそっと親指を滑らせる。 綺麗な人。 そう心の中で呟く。 ぐい、とその手が引かれる。 「金蝉?」 「誘ってんじゃねぇよ」 「誘われて下さらないんですか?」 からかうように天蓬は笑う。 「誘われてやるから、黙ってろ」 そう少し怒ったように言い捨てると、金蝉は天蓬の小うるさい口を己のそれで塞いだ。 ───what a beautiful thing is your existence itself. '02.09.28 19:13 |
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itself add. 何がどう、というわけではないのですが。 バスに乗ってて、ふと浮かんだだけの、落書きです。 移動中とか、外にいるときに浮かんだ文章は 最近は携帯のロングメールで保存します。 なんとなくまとなったりすると 友人達にそのままメールしてしまうことも多いです(笑) これも、そう。 受け取ってしまった不運な方々にはごめんなさい。 お付き合いありがとうございます。 タイトルおよびラストの英文は Scudelia Electro の「itself」から、改変。 Library Top / Entrance