The Melodies of Psychedelic Dreams (5)




Epilogue
 
 いつもの動画サイト。
 サイケデリックと検索欄に打ち込めば、サイケデリックドリームスで変換された大量の楽曲達がヒットする。
 臨也によく似たCGのキャラクターが、小さなフレームの中で踊っている。

 その、ずらりと並んだタイトルに紛れて、ひっそりと。
 あの日の彼と自分が、いた。
 コマ単位で切り分けられ、編集され、巧妙に合成された映像は、水面下で少し話題になっている。

 あれって、平和島静雄に似ていないか?
 あと、折原臨也と。
 ないない。絶対ない。
 ありえねぇし。
 あいつら、天敵だろ?
 
「シズちゃんは気付くかな」
 彼はパソコンなんて持っていないはずだし、携帯で動画サイトを見るほどネットに興味もないはずだ。 

 気付いて欲しいのか。
 気付かない彼を嘲笑っていたいのか。
 臨也自身にも、決められぬ感情。



 ディスプレイの中では、サイケデリックドリームスと臨也が呼んだ男が、ひどく愛おしいようなものを見るような優しい表情で、隣を見つめていた。