Tangent

・18・

「……でも、きっと貴方には聞こえない」

 綺麗な微笑み。
 歪んだ泣き顔。
 その、どちらをも内包した、無限の闇にも似た無表情。

「……何を言っている?」

 不意の八つ当たりに。
 貴方は、当たり前の、顰めつら。

 
 
 
 あの日。
 誰よりも愛した人の声が、自分には聞こえなかったのに。
 
 制御装置を外した悟空は。
 自分達には止められなかったのに。
 
 なのに。
 貴方は、彼の声を聴くから。
 彼は、貴方の声を聴くから。
 
 自分達は、それ以上近づくことはできない。
 
 僕の声は。
 


 きっと、貴方には、聞こえない。

     

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